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「ねェ、かたくらさん……」 助けを請うように、きゅうと着物の襟に縋りついて、佐助は、哀れみと欲情とを誘うような潤んだ目で小十郎を見上げた。 「俺を、抱いてよ……」 先ほど膝を撫でたように、掌が着物の隙間に進入して、鍛えられた厚い胸板を撫でた。そろり、そろり。 そればかりか徐々に徐々に着物を乱して、いつのまにか小十郎は上半身を肌蹴させられていた。 彼は思わず小さく呻いた。胸元を撫でていた手が、ゆっくりと滑り落ちて腹筋と窪んだ臍を辿り、 下腹の辺りを摩り始めたのだ。煽るように、誘うように。やわやわ、やわやわ。 「佐助ッ……」 「ね、抱いて、片倉さんじゃなきゃだめ、他のじゃ、全然満足できねぇの」 「駄目だ、今はそんな場合じゃっ……!」 そんな場合じゃない、早くここから脱出しなければ。 抗議は、言い終える前に途切れてしまった。 佐助の指が、小十郎の股座に伸びてきて、服の上からそこをするりと撫で上げたのだ。 やわやわ。弄ぶようにそこを擦りながら、佐助はくすくす笑って小十郎の頬に、首筋に、唇の端に何度も宥めるような口付けを落とす。 その摩羅は、着物越しでも分かるほどに兆し始めていた。 それを佐助は、巧みな指使いで撫で擦り、じりじりと昂ぶらせていく。 「欲しいよ、片倉さん、片倉さんでなきゃ、足りない……足りなくて、死んじゃうよう……」 甘い甘い砂糖菓子のような声音で強請り、強請り、切なげに身を捩じらせる。 頬に掛かる熱い吐息でさえも甘く感じられそうなほど。 誰だ。 こいつは、佐助、なのか。 ずき、と再び頭に走る痛み。小十郎は堪らずに呻いた。 もしかしたら、自分は狐か狸にでも化かされているのだろうか、もしくはこれは、夢か何かなのだろうか。 そう思ってしまうほどに、いま小十郎の目の前にいる忍は、いつもと印象が違い過ぎた。 血煙纏う戦忍などではなく、色忍……いやむしろ、これでは娼婦ではないか、と。 だが目の前の女は、どこをどう見ても間違いなく、佐助で。朱色の髪も白い肌もいつも慈しんでいるものに相違ないのだ。 ただ、その顔に浮かぶのは、普段よりもずっと色濃い『女』の表情で。 つぅ、と人差し指が、服の上からそこをなぞった。根元から先端にかけて、遊ぶように軽くゆっくりと、 かと思えば、親指で強く擦られる。 お気に入りの玩具で遊ぶかのように、佐助の指は、なんとも楽しそうに動いた。 小十郎を苛んでいた頭痛はやがて、止まぬ愛撫の快楽に中てられて、昂揚へと摩り替わる。 駄目だ、流されるな、流されてはいけない。 必死で己に言い聞かせるが、腰骨を通って脳へ伝わってくる快感の波は尋常ではなく、 何より小十郎自身、こんな状況にありながら――いやむしろこんな状況だからなのか―― 白い裸身に、見た事も無いようなその艶姿に、僅かながらも興奮していた。 松永久秀の恐るべき計画10
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もともと乳母が若君の性の手ほどきをするように、 佐助もいつかは幸村の童貞をもらってやろうと思っていた。 それが何となく惜しくなって延ばし延ばしにしていたら、 鳶に油揚げならぬ竜に油揚げをさらわれてしまった。 男にとって初めての相手は格別の印象が残る。 結ばれぬなら、せめて記憶に刻まれたいと思っていた佐助の無念さは余りあるものだ。 案の定、寝ても覚めても伊達政宗。 だから、佐助はその記憶を自分で上塗りしてやろうと企てたのだ。 記憶を消すと言う卑怯な真似ではなく、正々堂々と技巧で。 幸い向こうは生娘。大した手練ではなかったろう。勝ち目は存分にある。 なにしろ佐助は天才くのいちである。房中術の腕前にも自信がある。 激5
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登録日:2012/02/27(月) 22 01 18 更新日:2022/07/22 Fri 00 10 58NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 サスケェ ドM ドS 三味線 中編 元祖暴力系ツンデレヒロイン 大阪府 小説 春琴抄 盲目 読みづらさに定評のある小説 谷崎潤一郎 谷崎潤一郎 ←マゾヒズム小説家 『春琴抄(しゅんきんしょう)』は日本の小説。 著者は谷崎潤一郎、発表は1933年。 ◆あらすじ 大阪道修町の薬種商鵙屋に生まれた盲目の美少女・春琴には、幼少時より共に過ごしてきた佐助という奉公人がいた。やがて三味線の師弟という関係になった二人は、家を出て同棲を始める。 わがままな春琴に献身的に尽くす佐助。しかしある日、春琴は何者かに襲われ顔面に熱湯を浴びせられてしまう。 ひどい火傷で爛れた顔を見せたがらない春琴に対し、佐助は自らの目を針で突いて彼女と同じ盲目の世界に入る……。 ◆登場人物 春琴(しゅんきん) 本作のヒロイン。大阪の薬屋に生まれた女性。 少女時代に失明するも音楽の才能を発揮し、三味線の師匠の元に通っていた。のちに佐助と共に家を出て三味線教室を開く。 並外れた美貌を持ち、37歳の時でさえ二十代に見えるほど。 甘やかされて育ったのと病気の影響で性格が歪み、わがままで誰に対しても高慢で暴力的。そしてドS。 自分の弟子に「お前達の演奏より私が飼ってるウグイスの声の方が綺麗」とか言ったり、バチで頭をぶん殴ったりする。その性格が後年の悲劇を招くきっかけに。 佐助に対しては重度のツンデレで、暴力の度合いも他人よりレベルアップする。暴力系ヒロインの元祖とでも言うべき存在。 しかし後年起こった火傷の事件以降はやたらとデレるようになる。 佐助とは両親公認の仲だったが、「別に奉公人のことなんか全然好きじゃないんだからねっ」と言い張り籍を入れなかった。でも子供四人作った。 佐助(さすけ) 本作の主人公。春琴の家に代々仕える奉公人の家系に生まれる。 少年時代、三味線の師匠の元へ通う春琴の送り迎えを務めていた。 これがきっかけで三味線に興味を持ち、こっそり練習していたが春琴にバレてしまい稽古という名のDVを受ける。 しかし佐助はそれをむしろ喜んでいたフシがある。つまりドM。 春琴と同棲を始めてからは一番弟子兼彼女の世話係として奔走する日々が続く。 後年に春琴が火傷を負った際は、顔を見ないでくれと言う春琴の望みに応えるべく自ら視力を失った。 それでも春琴の世話は万全で、風呂も着替えも世話し続けた。 彼が自分の目を突いたのは、事件以降デレ始めた春琴への拒絶ゆえである、という見方がある。 つまり自分のマゾな願望を満たしてくれるツンドラな春琴をこそ愛していたと言えよう。とんだ変態である。 利太郎(りたろう) 春琴の三味線教室に通っていたチャラ男。 春琴を花見に誘って口説くが盛大にフラれ、稽古でも不真面目な態度を取ったためにバチの一撃を食らって怪我をさせられる。 春琴を襲って熱湯を浴びせた犯人候補。 「私」 本作品の語り手。『春琴抄』は「私」が後年に見聞きしたものを語っている、という形式で進んでいく。 ◆余談 本作は文庫本にして70ページ前後の中編だが、現代の小説と比してなかなかに読みにくい作品であることが大きな特徴である。これはカギ括弧「」と句点(。)が極端なまでに排除され、文章と文章を区切らずに書かれているから。例を挙げると「(春琴は)いつの間にか平気な顔で佐助に手引きさせながら稽古に通っていたもうその時彼女と佐助との関係はほとんど公然の秘密になっていたらしいそれを正式にさせようとすれば当人たちがあくまで否認するものだから(後略)」(本文中より引用)ずっとこんな感じ。そのうえ普通の一文一文も長く、また改行も最小限なので中編ながら意外と読むのに時間がかかる。 幾度か映画やドラマ、舞台として上演・放送されたりしている。ストーリーがストーリーだけに朗読の題材となることも。作者自身による朗読や、『天空の城ラピュタ』のムスカ役で知られる寺田農氏の朗読CDなども存在する。読んだことがない、あるいは読むのを投げた人はこういったメディアミックス作品に手を出してみるのもいいかも。 追記・修正は押し入れの中で三味線を弾いてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 佐助が女中と話してると嫉妬する春琴可愛い -- 名無しさん (2013-11-16 17 04 11) クーデレ -- 名無しさん (2013-12-05 22 02 12) いつの時代でも日本は始まってた -- 名無しさん (2013-12-05 22 41 47) これに限らず谷崎潤一郎のヤツはレベルが高すぎる。今の変態でも一線引く -- 名無しさん (2013-12-05 22 53 30) なんで春琴が佐助と関係を持ったかがよく分からなかった -- 名無しさん (2014-01-03 23 13 26) ↑何だかんだで佐助の事が大好きだから -- 名無しさん (2014-01-03 23 37 16) 源氏物語の時点で日本始まってますし しかしツンデレというか理不尽よりなんだな -- 名無しさん (2014-03-06 00 47 03) 子供のころ映画で見たけど、当時はなんで佐助は意地悪な春琴のことがそんなに好きなのかわからなかった -- 名無しさん (2022-07-22 00 10 58) 名前 コメント
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(あああっ!そこを、やられちまったら…もう…) 一刻も早く果ててしまいたくなる。とにかく楽になってしまいたい。 「(だが、これ以上…はっ…)くっ……いけねえっ…だめだっ…」 忍ごときが主人に何かをせがむなど、出過ぎた振る舞いである。 それに、為されるがままにされるのは仕方ないと観念していたが、 自分から欲しがるようなみっともない真似だけはしたくない。 佐助の葛藤に気付いた謙信は、彼の本心を聞き出してみようと思い立つ。 「だいじょうぶですよ……きにすることなど、ないというのに」 「あ、あんたにさせられるわけ…ないでしょっ……うあぁっ…」 本当はもっと尻の穴をいじっていかせて欲しいところなのだが、 そんな恥晒しなことは口が裂けても言えない。言えないはずなのに、気持ちよく なってしまいたいという欲の方が勝ってしまう。 (早く…楽にしてくれっ……いや、耐えろ…っ!) 「おくするな、さすけ…どうされたいのか、いってごらんなさい」 謙信は既に佐助の望んでいることを大方見通しているくせに、 わざわざ佐助に言わせようとする。 「…言えねぇ…だめ…だ…っ!」 佐助が口をつぐむので 「どうしてもいえませんか…それはざんねんですね…」 そう言うが、ちっとも残念そうではない。また悪戯心が湧いてきたのか 「おまえがいやがるのなら、むりじいするのはよしましょうか」 今更ながら佐助の意志を尊重してやる。 「かすが、てをはなして…つかれたでしょう」 「いいえ、謙信さ」 「はなせ」 「は…はい…」 かすがの手淫をやめさせ、しかし自分の指は突っ込んだまま指先を僅かに動かし、 弱い刺激を与え続けて焦らしてみる。 (うわあぁぁ…ここまできていきなり止めるヤツがあるかっ…) 佐助の焦燥感が表情からも態度からもにじみでてくる。こうなってしまっては 謙信の思うつぼである。 (…くっ…畜生っ…もっと…んんっ…) 尻の中がむずむずするだけでは焦れったくなり、自分でも気付かなぬうちに腰を 動かしてしまう。 「んっ!いけませんよ…じぶんのことばでいわなくては」 謙信がわざとツボを外して手の力を抜くので、佐助がどれだけ腰を揺らして 頑張っても自分の望む刺激がなかなか得られない。無言を貫く限りは謙信の手で 焦らされ続けるだけだ。 (ああ…もうっ…そんなんじゃ足りねえっ…足りねえんだって!) 佐助の苛立ち具合を見計らって謙信が揺さぶりをかける。 「だまっていては、わかりませんよ……ほら、どうされたいのか…いえっ!」 謙信の言葉に誘導され、一瞬だが佐助の理性が完全に吹き飛んでしまう。 その瞬間に、言うまい、言うまいと抑えていた言葉が口を衝いて出てしまった。 「ぁああ…尻の中をもっと……ああ、そこ…もっと押してっ、強くっ!突きながらっ、 しごいて!激しく!」 とんでもなく卑猥な言葉の連続を、感情に任せて吐き出してしまってから我に返る。 「うああぁ!何言ってんの!なんて事言ったの俺!」 違う、今のは決して自分の意志ではないと首を振るが、言ってしまったことを取り消す ことなどできない。三人の好奇の目に追いつめられ、激しい後悔の念に駆られる。 「…最低な…事……言ってら………はは…」 心が挫けてしまって、涙が出そうになる。 武田軍×上杉軍35
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「……その、破廉恥な話なのだが、その、な」 「…はぁい」 『違うよ旦那。これはお味噌汁なんだ。朝食べたやつ』などという苦しい言い訳で幸村を誤魔化し そしてそれに誤魔化される主を心配しつつ、佐助は幸村の隣に腰を下ろした。 等の本人は、落ち着かないのか、先ほどからそわそわしながら、手を組んだり組み替えたりしている。 「そ、そのなんだ。最近、ここここここここここ恋人というものができてな!!!」 「…はぁい」 「む、佐助。また味噌汁がでとるぞ」 予想はしていた。覚悟もしていた。それこそ幸村に仕えるようになった時から。 以前から、その影はあったのだ。文をやりとりしているような形跡はあったし、物思いに耽ることが多かった。 何より、外泊するようになった事が一番大きかった。 しかし、実際にその事実を突きつけられる衝撃は、想像を遙かに超えていた。正直、死にたくなった。 「その人を…俺様に紹介したいのね…」 「う、うむ。あちらは将来的にはけけけけけけけ結婚を、考えていると!それで、あ、挨拶を、と」 「わぁいだんなーだんなのしろむくはおれさまにしたてさせてねー」 「気が早いぞ佐助!は、は破廉恥な!というかお前、味噌汁が出しっぱなしだぞ。見苦しいからとっとと拭け」 そう言うと幸村は懐からてぬぐいを取り出し、佐助の顔を優しく拭う。 以前なら、てぬぐいを持ち歩くなどといった細やかな配慮はできなかったはずだ。 こういった些細な変化に、幸村が「女」になったという事実を感じさせられる。恋が幸村を変えたのだ。 再び死にたくなった。 「そいつはもう来てるの?」 「うむ。客間で待っていただいている」 「……大将には、もう言ったの」 「いや、まだだ。まず佐助に、と思ってな」 「…そりゃ、光栄だねぇ」 尊敬する主君より、草の者である自分を優先してくれたことに喜びを感じながら、佐助は最も大切なことを尋ねた。 「……旦那」 「何だ」 「旦那は、今、幸せ?」 「―――――――――あぁ」 「………そっか」 花が綻ぶような―――とびきり甘い蜜のような、そんな、幸せそうに笑う幸村。 何よりも大切で、ずっと大事にしてきた。 この人が幸せなら、間違いは、ない。 それだけだ。 そう思い、佐助はようやく、笑みを浮べた。 「でさ、どこの誰なの」 「ああ!大事なことを言っていなかったな!」 「ははっ、旦那ったら」 「伊達政宗殿だ!」 「そうかー伊達あqwせdrftgyふじこlp 」 「佐助!今度は口から味噌汁が!!」 お館さまがみてる6
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ため息をつきながら、政宗は書房にある文机の前に座った。行儀が悪いと分かりつつ頬を机に預ける。 「元気ないね。どしたの」 蝙蝠よろしく佐助が天井裏からさかさまになって登場する。悲鳴を上げる気力も沸かず、 政宗は顔を向け、よお、と手を上げた。 「帰還早々、屋根裏警備か。ご苦労なこったな」 佐助はくるっと宙で回転し、書房の床に立った。犬のように手足をまとめて座り、政宗を見上げてくる。 「忍びの習性っていうか職業病っていうか。変わってないか確認しないと気持ち悪いんだよねー。 ――で、どしたの? 帰還早々喧嘩でもした?」 「……拒まれた。それだけ」 佐助から顔を背け、政宗は机に顔を寄せる。 佐助は目をぱちくりと瞬かせると、視線を文机の隣にやった。 物凄い量の本がある。孫子と六韜、それに源氏物語。 「何これ? 旦那の本……もあるし、昌幸さまのもあるし、これは……源氏物語?」 「……奥の箱から引っ張り出して読んでた。なんかしてないと、落ち着かなくて。――笑えよ」 ひらひらと手を振って失笑を促すが、佐助はちらりと見ただけですぐに視線を書の山に戻す。 孫子に六韜に源氏物語のフルセット。百冊はあるだろうか。 「源氏物語なんてあったっけ」 「あったぞ。割と古かったな。写し直ししておいたぜ」 佐助は口笛を吹いて感心する。行儀悪いなぁと政宗は顰め面を作った。 何かしていないと落ち着かなかった。執務といっても、上田のことは勝手が分からず 下手に手を出せない。現状維持に努めたためあまりすることがなかった。 時間が空いてしょうがなかったので、沢山本を読もうと思った。しかし真田の書房にあった本は 全部読んだことがあるものばかりだったので、すぐに飽きてしまった。そこで古くなっている 本を新しく書き写す、という作業を行った。 書房に籠り過ぎて季節の移り変わりに気づかなかった。いつの間に桜は終わったのだろう。 折角、幸村と桜を見る約束をしていたのに。 幸村に上田の桜のことを伝えようにも、知らないのだから伝えられない。どれほど美しいのか。 どれほど妖しいのか。聞いていたというのに。 「可愛いことするねぇ。おにーさん気に入っちゃったぁ」 政宗は顔を上げ、生気のない顔を佐助に向ける。佐助はにっと笑っている。 「前から気になってたんだけど、お前いくつなんだ? birthdayとか知ってるのか?」 「ええー、生年なんて俺知らないよぉ。だってぇ、生まれた日とか時間とか分かってるとぉ、 呪術に使われちゃうしー」 「聞いた俺が莫迦だった……」 佐助は本を閉じて積み上げた。寝る前に読もう、と孫子を懐に入れる。 「旦那、結構気にしてたよ。桜の季節に間に合わないって」 「……それで焦って、上杉に突っ込んだりしてねぇだろうな」 「うちの旦那はそこまで莫迦じゃないですってば。一番槍を務めるって騒いでたけどさあ、 結局戦らしい戦しなかったし」 「そうか」 政宗は顔を文机に落とした。 ひたすら本を読んでいたはずなのに、何を読んだのかまるで覚えていない。目の前にある 本の山は全部自分が書き写したもののはずなのに、何を写したのか思い出せない。ずっと上の空だったせいだ。 何か夢中になっていないと、心が潰れてしまいそうだった。眠れない夜の方が多かったし食事の量も減った。 一緒に行けばよかった。戦場で妻が夫に従うのは、珍しいが非常識な話ではない。 正室を武田家中から娶っていない幸村の立場は微妙だった。 お館さまの意思に背こうとしているのではないか、という噂すらある。 そんなときに自分がでしゃばれば、幸村の立場が益々危うくなる。そう判断しての留守居役だった。 すぐに後悔した。 待つという行為はとても辛い。前田や織田の奥方が戦場で夫を助ける理由が分かった。 大切な人の無事をすぐに知りたかった。共にありたかった。 それほどまでに待ち望んだ再開なのに、幸村は沈んだ顔をしていて無事を素直に喜んでくれない。 会いたくなかったのではないか、と思えてくる。 花影ワヤン5
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だが、この奔放極まりない女、………本気でちっとも嫌がらない抵抗しない。 強ばる体を、拒否感を快楽で砕いての籠絡じゃない。初手から嬉しいって顔をする。 哀しくて辛くて紛らわせたいのだろうと思いきや、一言二言の愚痴以外にはそれを感じさせない。 ただ、好いた男と寝るのが嬉しいとか、そんな顔で見ないでくれよ。 腕を回して抱き寄せただけで、にって飾り気のない感じで笑う。 忍び頭の技量なんかなくたって同じだ、きっとぐちゃぐちゃにとろける。そのうえ不安を覚えれば睦言をねだる。 宥めて欲しそうに、本当に惚れた相手のように。ねえ信じるよ。いいの? そう思って怒らせようとして言った、自分でしても指いれて見せろも、ちっとも怒ったりしないで、 でも言葉通りに自分でしたことなんか、あんまりなさそうでほんと未開発で。 どんな閨技にも耐え抜けるよう鍛えられた忍び、感情を持っても切り捨てられるような忍び、 それを落とすには感情がひょいひょい出る顔と、びっくりするくらい目を引くいい表情。 それだけで良かったらしい。 遊び歩いてた時も思った。 ただ歩いているだけの姿勢と仕草がとっても幸せそうで、大仰なほど表情くるんくるん変わって、 でも佐助と違って本当に素直な感情の表現で、全然見飽きない。 天衣無縫。計算まみれの佐助の中に、計算がないせいで直に届く笑顔。 体いっぱいの好奇心、見る物全部楽しそうな目と足取り。 ああ俺、今は休暇みたいなもんだっけ。それでこの開放感? その上俺、このひらひらした蝶々にとっちゃ忍びじゃないんだ。 ただの異邦人、ただの男なんだ。だからこんな目で見つめられてんだ。 だって聞いてよこの気持ちよくてたまんない声、戸惑いがこぼれる頬、切なそうに寄る眉と快楽に潤みだした目。 恐怖と歓喜に善がって身じろぐたびに鳴る鈴音と、腕輪の音。 ───うわあ、もう本当やばい。 「怖い?」 獣っぽい目で佐助が尋ねる。 「怖い、つーか……」 どう言えば解って貰えるかなあ、と眉根を寄せた。とたんに佐助が嬉しそうにする。 「んっふふ、大丈夫大丈夫、いーっぱい気持ちよくさせちゃうよー、ってね。ほら」 佐助の腕が伸びて、内太腿をするっと撫でる。 「はぅ…」 ぞわりとした感触に、指押し込んだ場所が少し潤んだ。 そのまま、乾いた佐助の指先が元親の中に入り込む。異物感と言うよりも苦しい。脚が跳ねて床を蹴る。 兄さんは鈴音に引かれたのか、足先にちょっとだけ目を向けた。 「ん!うくっ……き、きっついぜ、ちょっ……さす、」 「にーさんの方がいいなあ。今あんまり名前で呼ばれたくないんだよ」 うんうんと肯きを返すと、佐助、いや兄さんの指が緩く動いた。 うあ、と喉奥から声が漏れる。異物感も痛みも、あっという間に快楽にすり替わった。 「ここ?」 「あっ、あ、あ、あぁっ……に、にー……さっ……」 「ははっ、すっごい淫乱。ほんとに初めて?」 がくがくと何度も頷く。身の縮こまるような言葉に、体というよりも飲み込んだ膣がきゅっと締まる。 「いいんだ?そーだよねー、そんな顔しちゃって」 どんな顔してんだ、俺。見てぇよ。 「い、ぃい、いいぜっ、さ……兄、さっ……」 上擦るように舌を縺れさせながら訴える。頭から背筋から指入れられた股間まで、 痺れるような何かに貫かれているような錯覚を覚える。 ぎゅうぎゅうと自分の体が指を絡め取ろうと締め付けている。 そのくせ濡れて滑って、佐助の指がくちゃくちゃ音を立てて動いてく。 やたらとイイ場所つつくのに飽きたのか、入れっぱなしの元親の指をくくっとこすりあげる。 指を撫でられることが心地いいと、初めて知った。胎内がひくひくと震えている。 「ほらほらどしたの?自分でしなよ」 促されて佐助が触れた場所に指を押しつける。 だが違う。どうしても違う。もどかしくじれったく、余計に胎内が震えて兄さんの指を締め上げた。 兄さんは焦れる元親を見てくつくつ笑っている。時たま結構黒い顔を見せる。 おお、優しいだけじゃつまらねえよ。 姫親が行く!8
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関東地方 茨城県 結城城 栃木県 足利氏館 宇都宮城 群馬県 埼玉県 千葉県 久留里城 東京都 神奈川県 小田原城
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こたうじ19 ※超捏造。 その若駒を見かけたのは春の終わり、葉桜が映える頃。 小田原城の広大な厩舎の一番奥でひっそりと佇んでいた。 風魔忍の得意分野のひとつに騎馬による忍術がある。そこらにある駄馬を戦場駆ける戦道具に仕立て上げたり、馬との意思疎通を主より正確に行えたりする。 そういうわけで、自然小田原城内に詰めている風魔の忍びたちは「誰それの馬が毛艶が良い」やら「某の馬は気気性が荒い」と馬の話を雨夜の品定めのごとく交わしていた。当然のことながら、小太郎も馬への関心は高い。 一度見かけた奥州馬の見事な駆け様に、ああした馬が小田原にもあれば心強いなどと考えてもいた。 そうした中、小田原城の厩舎には氏政以下名だたる武将の馬たちが繋がれているので、小太郎も自然と、目がゆくのだった。 「逆旋毛」という名の、その名の通り旋毛が目立つ茶色の馬は厩舎の一番奥でひっそりと飼い葉を食んでいた。 「……」 小太郎はふらりとやってきた足で、逆旋毛に近づいた。二歳になったばかりの若い馬にしては、逆旋毛は変わった風体の小太郎を穏やかに見つめかえす。 「これは小太郎殿、逆旋毛にお目がいきましたか」 と、声をかけたのは逆旋毛より数頭手前につながれた馬の元にやってきた北条氏直、北条家の嫡子だった。 控えめで父の後ろで霞みがちの氏直だが、北条の名を背負って立つ気骨を充分に備えていると小太郎は見ている。厩番に任せておけばいい馬の様子もひとりで行っているあたり、気概の優しい青年なのだろう。 「逆旋毛は父の馬ですよ」 「!」 逆旋毛に手をのばしかけて、やめる。主の馬においそれと触ってはならない。 だが氏直は苦笑し、撫でるくらいはいいでしょうと許した。 「まだ若い馬なんですが、戦場を駆け回る前に父が腰をやってしまいましてね。遠乗りくらいしかここを出る機会がないのですよ」 それは惜しい、と小太郎は素直に思った。逆旋毛はむしろ氏直のようにこれから戦に出る若者にこそ良き相棒になるであろうに、と。 「まあ、おとなしい気性のようですから、このままでもいいかもしれませんね」 氏直はその後一通り馬の手入れを終えて、では、と丁寧に言い去っていった。 「……」 氏直はああいったものの、何頭もの馬がひしめく中、ゆったりと空間が取られた木枠の中で、逆旋毛はどこか物足りなげに見えた。 老齢の主と若き駒。 自分と、逆旋毛は少し似ていると長い顔を叩いてやりながら小太郎は感じる。逆旋毛が若駒にしては落ち着いた雰囲気を漂わせているのは、一重に主を案じて馬なりに思いを巡らせているせいだろう。 ともに走るか、主のために。 小太郎の内なる問いかけに逆旋毛は高らかに是と嘶いた。 書いてみたかった、馬と小太郎。「風魔は騎馬戦術に優れていた」と資料でよく見かけるので……馬に懐かれるこた、とか? この後、こたの軍功が認められ氏直の後押しもあり逆旋毛がこたのところに来る、という話も考えてみたり。主から臣下にむけて色々物をあげる時代でもあったのだし、こういうのがあればいい! 言うまでもありませんが、馬もじっちゃんラブ。ライバルというよりは戦友な関係がいいなぁ。
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著:1スレ目 665殿 1(`・ω・´)昌景「修理、覚えておるか。三増峠の戦いを…」 ( ^ω^)昌豊「忘れるはずもないお…」 永禄十二年、武田軍は小田原に侵攻した。 昌豊の隊は小田原城攻めの先陣を務めていた。 ( ^ω^)昌豊「攻めるおー!内藤隊なめるとひどいめにあうお!」 伝令兵「修理様!三郎兵衛様よりお言葉を預かっております!」 ( ^ω^)昌豊「申すがいいお」 伝令兵「はっ、“いとけのぐそくてきをきる”との事!」 ( ^ω^)昌豊「糸毛の具足敵を切る…?」 昌豊は少し思案し、答えた。 ( ^ω^)昌豊「“小太刀”と三郎兵衛に伝えるお!」 伝令兵「はっ」 伝令兵は馬を駆けさせ去っていった。 2昌豊の返答を聞いた三郎兵衛は微笑んだ。 (`・ω・´) 昌景「さすが修理よ、伝わったらしい」 このやりとりは、まず昌景が昌豊に “糸毛の具足を着るような大将のいる場所まで深入りするな” と戒めたのに対し、昌豊が “小太刀で敵をあしらうようにしよう”と答えたのだと言う。 しかし武田軍の奮戦空しく、小田原城はビクともしない。結果、撤退が決まった。 3信玄は軍議を開いた。 信玄「よいか、足軽たちには鎌倉に寄ると伝えよ。三増峠を抜けて甲斐へ帰るぞ」 一同「はっ」 信玄「昌景は別働隊を率いてまちぶせる敵を撹乱させよ」 (`・ω・´)昌景「はっ」 信玄「信房、昌豊は本隊と共に峠を登る」 彡`Д´ミ信房「はっ」 ( ^ω^)昌豊「ちょっと待って欲しいお!」 信玄「どうした昌豊?」 ( ^ω^)昌豊「恐れながらお館、僕がまた荷駄隊を率いるのですかお!?」 信玄「そうじゃが、いかんか?」 (;^ω^)昌豊「ちょwwwテラヒドスwww以前の川中島でも僕は荷駄隊でしたお! たまには思う存分戦わせて欲しいお!」 信玄「そうか…昌豊がいかんとなると、ワシが荷駄を率いることになる」 ( ^ω^)昌豊「え?」 信玄「それほどこたびの戦は大事なのじゃ」 4( ^ω^)昌豊「分かりましたお…内藤修理、見事に荷駄を率いて見せますお…」 信玄「おお、分かってくれたか!」 (`・ω・´)昌景「さすが修理じゃ」 ( ^ω^)昌豊「お!?」 彡`Д´ミ信房「誰もが敬遠する事を引き受けてこそ真のもののふよ!」 ( ^ω^)昌豊「おお!?」 信玄「川中島に散った信繁に代わる副将は昌豊!お前しかおらん!」 一同「しゅーり!しゅーり!」 ( ^ω^)昌豊「うおお!!み な ぎ っ て き た お!!!」 信玄「よし、昌豊。くれぐれも言っておく。荷駄は次の駿河攻めでも使う 大事なものじゃ。くれぐれも危なくなったからといって打ち捨てるでないぞ」 ( ^ω^)昌豊「かしこまりましたお(これはお館のフリだお)」 5武田軍は三増峠を駆け登り始めた。 迎え撃つのは北条氏邦、氏照である。 氏邦「来おったか、甲斐の山猿ども!」 氏照「生きて故郷には帰さんぞ!」 ( ^ω^)昌豊「進むお!早くしないと小田原城からの追撃軍と挟み撃ちになるお!」 本隊の先陣は荷駄を率いる昌豊である。 敵の迎撃は激しいものであった。 ( ^ω^)昌豊「………ええい!荷駄は打ち捨てるお!命あってのものだねだお!」 足軽「おおーっ!」 信玄「ちょwwwおまwwwあれだけ言ったのにwwwテラヒドスwwwww」 迂回してきた昌景隊と後方にいた信玄本隊が回り込み、氏邦・氏照軍は敗れた。 武田は撤退戦における勝利を得たのであった。